岩間山正法寺の特命による住職就任について

 

 岩間山正法寺の現在の住職、代表役員に仲田順和師が就任したことについて、誤った情報が流れ、誤解される方もおられるようなので、改めて正確な経緯を記します。 

 尚、現在の住職・代表役員が正当に任命され、住職となっていることは平成20年8月26日に大阪高等裁判所で言い渡された判決文によって認められております。また、この判決を不服として最高裁判所に、前住職の家族は上告されましたが、その上告は平成21年1月13日に棄却され、大阪高裁の判決が確定しております。

 

宗教法人の規則変更は、責任役員会の決議と総代の同意が必要

前住職は、真言宗醍醐派から離れ、単立寺院としての道を進もうとされました。しかし、お寺は住職個人の所有物ではありませんし、住職一人の考えで運営できるものではありません。醍醐派から離れ単立となるには、お寺としての意思、即ち住職以外の責任役員の決議や総代の同意を得て、当該宗教法人規則の変更申請を所轄官庁である都道府県に提出し、認証を得る必要があります。しかしながら、当時の岩間山正法寺の責任役員、総代の大半が死亡しており、残る役員も任期切れという状態であり、正当な決議を経て単立への道を歩める状況ではありませんでした。当然、所轄官庁である滋賀県は平成14年1月11日付で規則変更を不認証とし、単立となる規則変更を認めませんでした。その後、前住職は、不認証となったことに対し文部科学大臣に対し審査請求も行いましたが、平成14年6月26日付で同大臣は棄却するとの裁定を行っています。

その後も、前住職は、規則変更の不認証を不服として滋賀県を相手に裁判を起こし最高裁まで争いましたが、結果は滋賀県庁側の全面勝訴となり、単立となることは、できませんでした。つまり、岩間山正法寺は醍醐寺を本山とする真言宗醍醐派の寺院であることが確定しております。

 

管長による住職の特命の正当性

 そして、平成19年1月20日、前住職は亡くなります。このことは、住職・代表役員が存在する時でも、正常な運営ができない状態であった岩間山正法寺が、さらに宗教法人法に基づく運営ができない状態になった、ということであります。

 真言宗醍醐派管長は、岩間山正法寺に、宗教法人法に基づく適正な運営ができるようにするため、住職を特命する必要があると判断され、平成19年3月20日付で仲田順和師を住職に任命されました。そして、仲田住職は岩間山正法寺の規則に従って、直ちに責任役員と総代を定めて推薦し、管長からの任命・委嘱を受け、全役員が揃いました。役員等が揃ったところで、即刻、岩間山正法寺の正常化に取り組むことになっていましたが、前住職の家族が岩間山正法寺を占有しており、正常化に向けて活動できる状態ではありませんでした。そのため、正常化の実行を目的に、前住職の家族を相手に、岩間山正法寺の明け渡しを求める裁判を起こされました。

その裁判において、前住職の家族は真言宗醍醐派宗制146条の定め、すなわち「住職の死亡、辞任又は退任後90日を経過するも仍後任住職任命の申請の手続を了らざるときは管長に於いて住職を特命することあるべし」との規定をもとに“管長が前住職の次女についての任命申請手続きを待たず、住職死亡後90日以内に突然新住職を任命するのは宗制に反して違法であり、かつ、その任命の効力は生じない”と主張されました。この主張に対し、大阪高裁は“前住職が死亡した当寺、任期切れの責任役員が1名いただけである。新たに最低1名でも責任役員を選任しようとしても、岩間山正法寺の規則において、責任役員の選任には代表役員の推薦が必要であり、その代表役員が死亡している以上、新たに責任役員を選任することができない状態にあった。住職の死後90日間の経過をまったとしても適法な責任役員会議決を経た後任住職任命申請がなされることはあり得ないことから、管長がした宗制23条(注@)による本件住職任命行為は、適法かつ有効である”という旨の判断をしております。

加えて、前住職の家族が住職に就任させようとした次女に関しても、大阪高裁は“真言宗醍醐派の伝法灌頂を受けておらず、そのため宗制149条(注A)が規定するとおり、教師資格を有しなかった。したがって前住職の次女は、宗制140条(注B)により、真言宗醍醐派における住職となる資格を欠いていた”という判断を下しています。

この他、前住職の家族は、自分等を追放して末寺の乗っ取りを図ろうとしている等々の主張をされていましたが、その点に関しても大阪高裁の判決文は“一切の事情を考慮しても、前住職の家族の権利濫用の主張の前提とする前記の事実(報復とか、見せしめ、乗っ取りなどの事実)は容易に認め難い”として、退けています。

そして、最後に大阪高裁は、仮に前住職家族の主張を認めた場合“前住職の家族は、何らの地位も権限もないまま、今後永続的に本件不動産(岩間山正法寺)内に居住し、資産の管理・金銭の費消、宗教的活動を含めて、岩間山正法寺を事実上運営管理することになるが、このような変則的で非正常な事態を容認することは著しく相当性を欠く”として、管長による住職任命行為は正当であると認めました。同時に、前住職の家族に対して岩間山正法寺を明け渡せ、との判決がでました。この判決は、前述の通り最高裁判所でも認められ、判決は確定しました。

最高裁での判決確定をもとに、裁判所の執行官が、前住職の家族に対して岩間山正法寺の明け渡しを求める手続きを開始されました。そして、執行官による予告執行の後、明け渡しが執行されました。

以上の通り、岩間山正法寺への住職特命の正当性は、最高裁でも認められております。そして、現在の住職が、前住職の家族に岩間山正法寺の明け渡しを請求したことも正当で適法な行為であると認められています。

 

注@ 宗制 23条「管長は寺院住職、教会主管者及その代務者を任免す」

注A 宗制149条「教師は四度加行、受戒、伝法灌頂又は最勝恵印三昧耶加行、入峰、慧院灌頂を履修し教師検定に合格したる本宗派の成年僧侶たることを要す」

 注B 宗制140条「本宗派寺院の代表役員を住職と称す。住職は本宗派の教師たる者に限る」

 

宗教法人として公益性を保つために

 現在、岩間山正法寺は、最高裁判所でも認められた住職・代表役員を中心に、真言宗醍醐派管長より任命・委嘱を受けた責任役員、総代によって運営されております。日々の宗教活動だけでなく、また、様々な事務処理も寺院規則に従って運営されております。

岩間山正法寺の現在の体制について、誤った情報、中傷がインターネット上で流されております。そして、その情報に惑わされ、岩間山正法寺が本山、宗派によって乗っ取られたと誤解されている方もおられるようです。しかしながら、前記の通り、岩間山正法寺を宗教法人法に則った正常な状態にするために、現在の住職が特命されたのであります。繰り返しますが、この住職特命は最高裁判所でも正当と認められています。このことをご認識頂きますよう、お願い申し上げます。

 

追記

“ ”内の文章は、プライバシーに配慮し、主旨が変わらない範囲で原文に手を加えています。

 

 

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